ラ・ロシュフコーは1613年生まれのフランスの人らしい。
本の紹介
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およそ忠告ほど人が気前よく与えるものはない。
ラ・ロシュフコー箴言集 岩波文庫
このような皮肉を中心に彼の考えを短くまとめた箴言がたくさん載ってある。箴言は警句とかアフォリズムとも言って、日本人だと芥川龍之介の『侏儒の言葉』が有名。
岩波文庫のラ・ロシュフコー箴言集とグーテンベルク21の箴言と省察がKindle Unlimited読み放題の対象になってある。 岩波文庫のほうは箴言集の後に箴言以外の考察も載せてあるけど、そちらは正直イマイチだった。翻訳でだいぶイメージも変わるし、何なら意味が違っているものもいくつかあったので、好きなほうで読むか両方比較して読むと面白いかもしれない。
人が、これほど物惜しみもせず、他人にくれてやるものは、忠告だけだ。〔一一〇〕
箴言と省察 グーテンベルク21
引用
『箴言集』を語る際に、巻頭のエピグラフと共にしばしば引かれるこの扉絵は、たしかに全体の性格をよく表している。つまり、セネカに代表されるストア派的人間像、強く正しく立派な人間なるものは偽装に過ぎないから、その仮面をはいで見せましょう、というわけである。
ラ・ロシュフコー箴言集 岩波文庫 あとがき
266
野心や恋のような激しい情念でなければ他の情念を征服できない、と信じるのは間違いである。怠惰はまったく柔弱ではあるが、にもかかわらず、しばしば他の情念の支配者にならずにはいない。それは人の生涯のあらゆる意図、あらゆる行動を浸蝕し、知らぬまに情念も美徳もつき崩し、消尽するのである。
ラ・ロシュフコー箴言集 岩波文庫
MP40
われわれは、どちらかといえば、幸福になるためよりも幸福だと人に思わせるために、四苦八苦しているのである。
ラ・ロシュフコー箴言集 岩波文庫
われわれは、自分の最も美しい行ないでも、その動機まですっかり世間に知れたなら、恥じ入るのではないか。〔四〇九〕
箴言と省察 グーテンベルク21
どんな欠点でも、それを隠そうとして用いる手段と比べたら、まだ罪は軽い。〔四一一〕
箴言と省察 グーテンベルク21
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